抄録
超音波検診で発見された胆嚢ポリープ症例(大半はコレステロールポリープと考えられる)の自然経過を観察した. 過去4年間の当人間ドック受診者8,756例中, 胆嚢ポリープは469例で, 胆嚢超音波検診の有所見者中最も高頻度であった. このうち1年以上経過観察しえた183例の最大径の変化を観察した. その結果, 不変131例(71.6%), 増大29例(15.8%), 縮小13例(7.1%), 消失10例(5.5%)であった.また, コレステロールポリープの部分脱落を手術例で呈示した. 平均年齢では胆嚢結石が高齢者に多いのに比べ, ポリープは胆嚢超音波検診正常者との差を認めなかった. 以上の結果より, コレステロールポリープが一定以上の大きさになりにくい理由, およびその自然史について考察した.