胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
超音波による胆嚢ポリープの自然経過の検討
白崎 敬二渋谷 明隆國分 茂博柴田 久雄吉田 宗紀中 英男広門 一孝岡部 治弥
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 6 巻 1 号 p. 54-60

詳細
抄録
超音波検診で発見された胆嚢ポリープ症例(大半はコレステロールポリープと考えられる)の自然経過を観察した. 過去4年間の当人間ドック受診者8,756例中, 胆嚢ポリープは469例で, 胆嚢超音波検診の有所見者中最も高頻度であった. このうち1年以上経過観察しえた183例の最大径の変化を観察した. その結果, 不変131例(71.6%), 増大29例(15.8%), 縮小13例(7.1%), 消失10例(5.5%)であった.また, コレステロールポリープの部分脱落を手術例で呈示した. 平均年齢では胆嚢結石が高齢者に多いのに比べ, ポリープは胆嚢超音波検診正常者との差を認めなかった. 以上の結果より, コレステロールポリープが一定以上の大きさになりにくい理由, およびその自然史について考察した.
著者関連情報
© 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top