タウリンリサーチ
Online ISSN : 2434-0650
Print ISSN : 2189-6232
タウリン欠乏モデルネコの作製
宮﨑 照雄 佐々木 誠一豊田 淳白井 睦池上 正松﨑 靖司本多 彰
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 3 巻 1 号 p. 36-38

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抄録
タウリンの生理学的意義を解明するため、タウリ ン合成能が欠損しているネコへのタウリン枯渇食供 与によるタウリン欠乏動物モデルの作製を試みた。 既報の方法に則って調合したタウリン枯渇食をネコ に30週間供与した。血液中タウリン濃度は、枯渇 食供与開始1週後より顕著に減少し、1ヶ月後には、 ほぼ欠乏状態となった。供与 30 週後に採取した脳 (大脳、小脳、海馬)、肝臓、心臓、骨格筋(ヒラメ 筋、腓腹筋)においても、タウリン濃度は欠乏状態 であった。生体内タウリンの欠乏に伴い、眼症状(瞳 孔散大、眼球混濁、眼脂増加)や口腔内症状(歯肉 炎、う蝕)、心筋異常(拡張性心筋症)、肝障害(炎 症、脂肪化、線維化)、骨格筋変性(中心核、炎症、 細胞変性など)が観察された。タウリン合成能が欠 損しているネコへのタウリン枯渇食供与により、タ ウリンの病態生理学的意義の解明研究へ利用できる タウリン欠乏モデルを作製できた。
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© 2017 国際タウリン研究会

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