2024 年 18 巻 p. 85-94
本研究は、昔話の再話や受容のありようについて、保育との関わりの中で明らかにすることを目的としている。その手がかりとして、「ぶんぶくちゃがま」を取り上げ、その変遷を追った継続研究である。1945年以降の絵本や紙芝居を中心に分析し、その変遷をみていった結果、大きな変化が認められた。一つは物語構造の変化であり、二つ目は中心場面の変化である。物語が簡略化し、構造自体が変化することによって、物語自体がわかりやすくなるとともに、人と動物の交流や友情、親切といったテーマをより鮮明に描きだそうとする傾向がみられた。また、中心場面については小僧さんたちが茶釜を追いかけ回す場面が描かれなくなり、見世物の場面は見開き1頁で、つなわたりが中心として描かれ、見世物の固定化の傾向は強まっていると言える。