これまで年間1、2 回行われる授業観察が主流であったアメリカの教員評価のあり方が、近年、大きく揺らいでいる。2002 年に制定されたNCLB 法が「高い資格を有する教員」の雇用を義務づけたり、2009 年から開始されたRTTT プログラムの財政支援を受けるには生徒の学業成績と教員評価を結びつけることが条件とされたりしたからである。2010 年8 月にはロサンゼルスで、2012 年2 月にはニューヨークで、生徒のテスト成績に基づく付加価値評価と呼ばれる教員評価の結果がメディアに公表された。教員組合の強い反発にもかかわらず、親や納税者の知る権利は公務員のプライバシーに勝るとの司法判断も下され、全米で大きな論議を呼んでいる。ロサンゼルスとニューヨークの事例に即して、付加価値評価を教員評価に用いることならびにそうした教員評価の結果を公表することの妥当性を検討する。