「すべての児童生徒のそれぞれの人格のよりよき発達を目指すとともに、学校生活がすべての児童生徒にとって有意義で興味深く、充実したものになることを」目指している生徒指導において、今日、いじめへの対応は喫緊の課題となっている。というのも、いじめはどの子どもにも、どの学校においても起こりえるものであり、まただれもが被害者にも加害者にもなり得るものであるからである。いじめの問題が深刻化してきた平成18(2006)年以降、文科省もいじめの定義を見直し、さまざまな取組をつづけてきたことから、平成25(2013)年6 月には「いじめ防止法」が成立した。そこで本稿は、「いじめ防止法」の成立に至るまでの近年の文科省のいじめに関する取組を整理し、「いじめ防止法」の概要を紹介するとともに、同様の法律がすでに制定され施行されているアメリカにおける現状との比較検討を通してその課題を明らかにする。