東海北陸理学療法学術大会誌
第24回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P023
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肩甲骨と脊柱の関係
~脊柱側屈に影響を及ぼす肩甲骨の動き~
*氏原 三歌, 本島 直之
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キーワード: 脊柱の動き, 肩甲骨, 前額面
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抄録
【はじめに】
臨床にて,歩行中に体幹側屈が出現する症例に対し側屈側の上肢にて物を把握したところ体幹側屈が軽減した.把握動作が,どのように連動し体幹側屈を軽減させたのか明確にしたいと考えた.そこで今回,脊柱側屈に及ぼす肩甲骨の動きを明確にすることを目的とし,把握動作が体幹に及ぼす影響を考える上での一助にしたいと考えた.
【方法】
対象者は本研究への同意が得られた健常男性3名.測定対象は脊柱,右肩甲骨とする.体表マーカは,肩甲棘の内・外側端,下角,第7頚椎棘突起(C7),第7胸椎棘突起(Th7),第4腰椎棘突起(L4)の合計6点とした.
対象者への運動課題は,肩甲骨挙上(A),下制(B),内転(C),外転・上方回旋(D),内転・下制(E)の5つとした.基本肢位は,端座位にて右上肢下垂位,左上肢はベッド上に置き,直立・円背とした.そして各々の肢位にて運動課題を3試行実施し,デジタルカメラ(SONY社製)にて撮影した.その後,画像処理ソフトウェアImageJを用いて脊柱と肩甲骨の角度を算出した.
脊柱側屈角度はC7とTh7,Th7とL4を結んだ線の成す角とした. 肩甲骨挙上・下制は,肩甲棘の内側端の平行線と肩甲棘の内・外側端を結んだ線の成す角,上・下方回旋は,肩甲棘の内側端の垂線と肩甲棘の内側端と下角を結んだ線の成す角とした.内転は,L4の垂線と肩甲棘の内側端との距離とした.
統計処理は,開始肢位と運動課題後の脊柱側屈角度の差の平均値をt検定により有意水準5%未満で検討した.
【結果】
1.肩甲骨角度
直立:課題A~Eに,課題動作の角度変化が大きかった.
円背:課題A~Dに,課題動作の角度変化が大きかった.課題Eには,下方回旋角度が他の課題と比較し大きかった.
2.脊柱角度
直立:課題AとDに脊柱の右凸が生じ,平均値は5.72±1.81°と6.96±2.91°であり有意差を認めた(p<0.05 ).
円背:課題Eに脊柱の左凸が生じ,平均値は6.56±1.16°であり有意差を認めた(p<0.05).
【考察】
今回,課題Dでは肩関節最大屈曲を行った.一側の屈曲動作には,最終域に脊柱側屈が生じるとの報告があり,脊柱の右凸は肩甲骨関節窩をより外・上方へ向ける肩甲骨の動きを補うために生じたと考えた. 課題Eでは肩関節伸展・内転を行った.また課題Eでは有意に下方回旋が生じた.ここでも脊柱の左凸は関節窩をより内・下方に向ける肩甲骨の動きを補うために生じたと考えた.
直立は脊柱右凸,円背は脊柱左凸に有意差が得られた.脊柱の反対側側屈には腰方形筋,同側側屈には内・外腹斜筋が作用し,これらの筋は脊柱屈伸や回旋などにも作用する.直立では脊柱屈曲制限により腰方形筋が,円背では伸展制限により内・外腹斜筋が優位に働いたと考えられる.
今回の計測により,関節窩を外・上方又は内・下方へ向ける運動課題により脊柱側屈を誘導できる事が示唆された.
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© 2008 東海北陸理学療法学術大会
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