東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: S-1
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当院における足関節部骨折術後の早期運動療法
ギプス後面開窓下に行う後深層筋群の拘縮予防
*中宿 伸哉山田 高士赤羽根 良和林 典雄
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抄録
【はじめに】
我々は、足関節部骨折に対する骨接合術において、術後ギプス後面の一部を開窓し、後深層筋群の拘縮予防を積極的に実施することで、早期の可動域改善が得られている。今回、早期運動療法を実施した症例についての成績を検討したので報告する。
【対象】
 平成17年10月から平成20年5月までに手術療法が施行された症例のうち、固定後の術中透視にて軽度背屈位とした状態で脛腓間離開を認めなかった10名10足を対象とした。内訳はPA stage_III_が1足、SER stage_II_が3足、SER stage_III_が1足、SER stage_IV_が5足であった。術後のギプス固定期間は平均15.7日であった。運動療法は術後翌日より実施した。検討項目としてはギプス除去直後の背屈可動域の比較、全可動域獲得に要した期間、臨床評価としてはJoyの治療成績評価基準を用いた。
【運動療法】
 長母趾屈筋(FHL)、長趾屈筋(FDL)のamplitude、excursion維持を目的に、自動屈曲、他動伸展運動を行なった。これらの運動はギプス開窓部にて、FHL、FDLの腱滑走、筋収縮を触診しながら実施した。また、FHL腱に対しては、開窓部より直接横方向への滑走操作を加えた。 ギプス除去後はwipping exerciseを中心とした自動運動を中心に拡大し、時期に応じて荷重を漸増した。
【結果】
 ギプス除去直後の背屈角度は平均19.7°、健側は平均31.4°であった。全可動域獲得に要した日数は平均34.7日であった。Joyの評価基準では全例良であった。
【考察】
 術中透視の確認にて比較的脛腓間が安定している場合には、早期にギプス下腿後面を開窓し、FHLならびにFDLの滑走、収縮を直接触診しながら行っている。また特にFHLは距骨後突起間を走行するため、癒着に伴う距骨の後方移動が制限されることが予想される。直接横方向への滑走操作による癒着の予防は隣接する後脛骨神経の滑走性も同時に維持でき、臨床成績の向上にも寄与したと考えられた。
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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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