東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: C-9
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若年性パーキンソン病患者のリハビリテーションを経験して
その結果からの1考察
*近藤 将人
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抄録

【目的】
臨床の現場で本症例のような若年発症で強い症状を呈するPD病患者に携わることは非常に珍しく貴重な経験を得た。そこで今回、患者本人の了解のもと、その外来対応、生活指導、リハビリの経過について報告をする。
【対象】
患者: M・K氏 47才 男性 平成6年頃右手の振るえに気づくことで発症 診断名:Parkinson Syndrome (dystonic-Parkinsonism)  UPDRS score 62 (H19 11 21) 症状:右優位の固縮、振戦、ジスキネジア、ジストニア 重症度:Hoehn &Yahr 5(off)~4(on) ジスキネジアの出現により、服薬治療の限界となり、症状改善のため週1回の外来通院リハ併用となる。
【対応と経過】
PTは、本人の服薬による症状管理の徹底に併せ、常時頻繁に出現し変化するon/off症状(急激な強いすくみ、固縮、ジストニアの出現)による狭所、人ごみ、横断歩道通過時等の転倒等の本人の症状特性に対し、移動を中心とした指導・訓練を行い、本人のdemandでもある障害者野球チームの参加と、needであるoff対応の獲得を目的に、下肢を中心とした関節可動域訓練、キャッチボールを取り入れた重心制御、バランス訓練、屋外屋内での実用歩行訓練などを行いつつ、自宅での生活指導を行った。
【結果】
服薬管理に合わせ、通院リハ、生活指導等を行い現在では、障害者野球チームの練習でファーストを守る事も可能となり、訓練室内では10メートル程度のダッシュ、スキップなどが行え、活動範囲が拡大した。 【考察とまとめ】 On/Offの差が激しいが基本的な身体機能が高い症例では、症状出現に精神不安が大きく影響しているのではないか。また、offの不安には、身体機能を維持し徹底した反復動作訓練等による動作完遂への自信、安心感が安定した能力の発揮に繋がるのではないかと考えられた。

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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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