東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: O-39
会議情報

脳性麻痺者の運動処方におけるRPEの信頼性
*里中 綾子鈴木 伸治横地 正裕猪田 邦雄河村 守雄
著者情報
キーワード: RPE, 心拍数, 最大酸素摂取量
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】主観的運動強度(RPE)はトレーニングの運動強度設定に際し用いられている。臨床においては、障害者の有酸素運動能の回復を目的とした運動療法でしばしば用いられる。しかしながら、RPEが障害者の運動強度の設定に適切かどうかは明らかではない。そこで、本研究では脳性麻痺者(CP者)でRPEと客観的な運動強度の指標 との関係を検討した。 【方法】CP者15名(34.2±11.3歳)を対象とした。自転車エルゴメーターを使用し、3段階、各段階3分の最大下漸増運動テストを行った。運動テスト中は酸素摂取量および心拍数を連続で測定した。テスト終了直後にBorg6-20RPEスケールを用いてRPE値を得た。酸素摂取量と心拍数から、最大酸素摂取量を推定した。テスト終了前30秒間の平均酸素摂取量を最大酸素摂取量に対する割合(%最大酸素摂取量)および平均心拍数を予備心拍数(HRR)のパーセンテージで表した(%HRR)。RPE値に対する%最大酸素摂取量および%HRRとの関係について分析した。 【結果】RPE値は%最大酸素摂取量および%HRRの両者に対して相関がなかった。4名は運動終了時に最大酸素摂取量に到達していたが、このうち3名のRPE値は13(n=1)および17(n=2)であり、生理学的には最大運動になっていても主観的には最大に感じられなかった。一方、%最大酸素摂取量と%HRRには有意に相関した。 【考察】RPEと客観的な生理学な運動強度に相関がみられなかったが、これは被験者の多くは運動障害により日常的に運動が制限され、普段、運動経験がほとんどないことが影響しているかもしれない。本研究の結果から、本研究の被験者のように運動経験の少ない人に運動処方を行う場合、RPE値のみで運動強度を設定することは危険である場合があり、心拍数のような他覚的な数値をモニターすることも必要であることが示された。
著者関連情報
© 2009 東海北陸理学療法学術大会
前の記事 次の記事
feedback
Top