抄録
【はじめに】足趾筋力が強いほど姿勢制御能は高いとされ,母趾は体重の支持作用,2~5趾は偏位重心を戻す作用があるとされる.今回,バドミントン選手と一般健常人の足趾筋力を比較し,バドミントン選手の足趾筋力の特性について検討した.
【対象】バドミントン選手群(以下、バド群)として,男子日本リーグ所属の7名,一般健常人群(以下,一般群)9名とした.
【方法】足趾把持力は,椅座位にて握力計(竹井工業製を改良)を握らせ測定した.足趾圧迫力は,椅座位にてハンドダイナモメーター(anima社製,μ-tass F-1)を用い母趾と2~4趾で測定した.各測定項目は支持脚と非支持脚ごとに測定し,2群間でt検定(p<0.05)を用いて比較した.
【結果】足趾把持力はバド群の支持脚13.2±3.6kg非支持脚14.5±4.4kg,一般群は支持脚9.7±3.4kg非支持脚10.9±3.4kgであった.母趾での足趾圧迫力は,バド群の支持脚12.8±4.7kg非支持脚13.2±4.0kg,一般群は支持脚11.0±4.9kg非支持脚9.7±5.0kgであった. 2~4趾での足趾圧迫力は,バド群の支持脚9.0±3.0kg非支持脚10.6±2.4kg,一般群の支持脚6.8±3.4kg非支持脚6.3±2.7kgであった.非支持脚での2~4趾での足趾圧迫力のみ有意差を認め(p<0.05),その他では有意差を認めなかった.
【考察】一般群に比べてバド群は,すべての測定項目で非支持脚のほうが強く,両脚の筋力に偏りがないことが示された.これは体重を支持する踏み切り脚がスマッシュ時とレシーブ時では左右異なり,片脚に依存しないバドミントンの競技特性によるものと考える.また2~4趾の足趾圧迫力の非支持脚に有意差がみられた要因として,バド群ではステップなしのレシーブなどで常に左右の重心移動を行っているため発達しているものと考えられる.