抄録
【目的】
慢性閉塞性肺疾患(以下 COPD)の多くは喫煙が原因であるが、中にはCOPDと診断を受けも禁煙できない患者も認められる。喫煙COPDも禁煙の重要性を知りながらニコチン依存・ストレス解消により禁煙難を抱えている。今回、1年間外来呼吸リハビリテーション(以下 呼吸リハ)を実施した喫煙COPDと 非喫煙COPDに対し呼吸リハ評価を行い初期評価時と1年後の比較を行い喫煙が与える影響を検討した。
【方法】
対象は70歳代の男性非喫煙COPD1症例と60歳代の男性喫煙COPD1症例とした。 方法は、身体所見・肺機能・HADスケール・6MWT・MRC・ADL-Tについて 初期評価時と1年後の評価を比較検討した。非喫煙COPDは喫煙歴あり禁煙後10年以上経過。HOT導入し終日O2 1.5L吸入。喫煙COPDは、5~6本/日喫煙。
【結果】
初期評価と開始1年経過後と比較した結果、体重は喫煙COPDで9.3%減少・非喫煙COPDで2.9%増加した。胸郭拡張差は共に大きな変化はなかった。握力は喫煙COPDで9.8%低下・非喫煙COPDで6.1%低下した。大腿周径は喫煙COPDでは5.7%低下・非喫煙COPDは1.4%低下した。肺活量は、喫煙COPDで10.1%低下・非喫煙COPDでは2.8%低下した。一秒量は喫煙COPDで30.4%低下・非喫煙COPDで25.7%低下した。6MWTの終了後の息切れBorgスケールは、喫煙COPDで変化なく非喫煙COPDは軽減した。歩行距離は、喫煙COPDで50%低下し非喫煙COPDは変化なかった。MRCスケールでは、喫煙COPDは3から4と悪化し非喫煙COPDは変化なかった。HADスケールの抑うつは、喫煙COPDは抑うつ状態が持続し非喫煙COPDは変化なかった。HADスケールの不安感は、喫煙COPDでは不安感は強まり非喫煙COPDでは変化なかった。ADL-Tは、喫煙COPD・非喫煙COPD共に低下した。
【考察】
喫煙が呼吸リハの効果を打ち消し全身筋量・肺機能・運動耐容能の低下を招く結果となった。 喫煙COPDは抑うつ・不安感の強さから禁煙できずスパイラル的に身体状態の悪化を招いていると考える。禁煙はすべてのCOPD治療の根幹であることを再確認した。