学術の動向
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Disability Inclusive Academia ─障害のある人々の視点は科学をどう変えるか─
聴覚障害のある学生や研究者への合理的配慮と事前的改善措置
松﨑 丈
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2022 年 27 巻 10 号 p. 10_28-10_33

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抄録

 聴覚障害の状態は多様で、聴覚障害当事者は一人ひとりの聴こえ方が異なっており、音声言語あるいは手話言語のどちらかを主要な使用言語としている。本稿では、この多様性を踏まえた聴覚障害のある学生や研究者に対する合理的配慮と事前的改善措置の具体的な内容を解説するとともに、大学や研究機関における聴覚障害領域での合理的配慮と事前的改善措置を推進させるための重要課題として、聴覚障害当事者の「意思の表明」への支援、人的資源に依存した手話通訳や文字通訳の質的保障を高めるための体制整備について述べる。さらに、音声言語優位の聴者多数社会で発生する意思疎通や情報獲得における社会的障壁を不可避的に経験している聴覚障害当事者の本質的能力の問題や心理的問題への対応について聴覚障害当事者の視点も交えて論じる。

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© 2022 公益財団法人日本学術協力財団
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