2023 年 28 巻 3 号 p. 3_63-3_65
社会で不利な立場にある人々とりわけ少数者から見た復興の課題は言説化されにくい。復興過程を把握し記録し、今後の復興政策に反映させる制度設計を検討する際に、言説化されにくい復興の課題をどのようにすれば盛り込んでいけるのか。言説化されにくい復興の課題は、震災前の不平等や排除の問題の延長線上にある。細分化された統計の収集と利用、意思決定の場である復興計画の策定委員の多様化などに加え、震災前の社会における当該課題の状況の理解と当該の当事者の状況について一番よく知っている草の根の支援者との協働は欠かせない。