冷蔵庫等に使用される冷媒圧縮機の性能と信頼性は,機構部における潤滑状態の影響を受ける.家庭用冷蔵庫ではレシプロ圧縮機が使用されているが,その潤滑油は主にオイル粘性ポンプによって機構部に供給される。著者らは,シャフト表面にらせん状のオイル溝を設けたオイル粘性ポンプの流量特性について,理論と実験の両面から検討した.理論検討では,オイル溝内の流れが十分に発達した層流であり,かつ一様な2 次元流れであると仮定すると,オイル粘性ポンプのヘッドとポンプ流量の関係は1 次関数で表されることが分かった.また,流量特性評価装置を用いた実験により,オイル溝長さが一定値以上あれば,流量特性の実験値と理論値の相対誤差は小さいことが分かった.