日本冷凍空調学会論文集
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原著論文
遺伝的冷媒流路生成アルゴリズムを用いた熱交換器の最適化に関する研究
ジャンネッティ ニコロガルシア ジョン・カルロヴァレラ リチャード・ジェイソン清 雄一榎木 光治鄭 宗秀齋藤 潔
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2022 年 39 巻 3 号 p. 223-

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抄録

本研究では,次世代冷媒の性能評価のために,熱交換器回路の進化的最適化に基づく評価手法を提案する.フィン付き管式熱交換器を対象としたシミュレーションでは,冷媒回路の双方向の数学的表現(管-管隣接行列)と,進化的探索の際に回路の一貫性と実現性を確保するための関連する制約条件の定式化を行った.熱交換器の解析において最適配置の効率的な進化的探索のために,「遺伝的熱経路生成法」という新しい最適化アルゴリズムを開発した.この技術は,物理的に実現可能である限り,分割・合流ノードの数や位置に制約のない複雑な回路への遺伝的演算子の実装を扱うことができ,それゆえ,従来の最適化研究の探索空間を拡大し最適化することが可能となる.空調用途の36 個の配管数を持つ蒸発器の最適化回路に対し,代表的なR 32R 410AR 454C 3 種類の冷媒を用いた場合の性能を評価した.所定の出力容量と空気出口温度において,R 454C のような非共沸混合冷媒では,より大きなCOP 向上(最大7.26%)が達成され,空気温度変化と温度グライドを適切にマッチングさせることで,必要な圧縮比をさらに低減できる可能性があることが分かった.これまでのドロップイン性能分析とは逆の成果,つまり温度差のある低 GWP 非共沸混合冷媒がR 410A よりも高い性能を,そしてR 32 と同等程度の性能を達成できる見込みがついた.

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© 2022 公益社団法人 日本冷凍空調学会
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