論文ID: 23-13_OA
本研究では,潜熱蓄熱材含有カプセルスラリーにおいて,軟殻材であるゼラチンで作成したカプセルに着目した.これは,一種のスラリーである血液での赤血球(カプセル)が持つ弾力性を付与するためである.まず,潜熱蓄熱材を含有したゼラチンカプセルを作成し,ゼラチンカプセルの形状の確認と,ゼラチンカプセルスラリーの熱物性値の実測と推定方法について検討した.さらに,ゼラチンカプセルスラリーの直管試験部における流動抵抗と熱伝達特性を実験的に検討した.その結果,比較的低濃度のカプセル濃度においては,スラリーの流動抵抗は,分散媒である水の値と同じであるが,熱伝達に関しては,水よりも増加することを確認した.さらに,含有する潜熱蓄熱材が液相の場合では,カプセル全体が変形することにより,固相時よりも熱伝達が増加することを確認した.