論文ID: 24-01
本研究は, マイクロチャンネル内におけるスラグ流の流動特性, 特に低キャピラリー領域における液膜の挙動の解明を目的とし, 高速度カメラを用いた気泡の動きの可視化観察, 気泡速度, 接触角, および流動抵抗の計測を行った. また, 表面濡れ性の影響を考慮するため, 異なる表面処理を施した内径1 mm のガラス管を用いて実験を行った. 実験結果から, 未処理ガラス管において, 駆動流速が 20 mm/s の時に液膜が形成され, 親水性ガラス管では僅かな駆動流速で液膜が形成された. 撥水性ガラス管では液膜の形成に伴い気泡が分裂した. また, 気泡が液膜によって潤滑されると流れが促進されることがわかった. 流動抵抗の計測および理論モデルとの比較から, 1 つの気泡に液膜が形成されない場合, 流動抵抗が約200 Pa 大きくなることがわかった.