電気自動車(EV)の暖房の省エネ化は普及に向けた重要課題の1つである.本報告では,前報で提案した熱管理システムに含まれる暖房運転モードについて,性能予測を行った.本システムは蒸気圧縮式ヒートポンプとデシカント塗布熱交換器(DCHE)から構築され,特に暖房負荷増加の原因となる外気導入による防曇運転の省エネ化を図るものである.DCHE の性能試験を行い,適切な吸着熱除去と吸着温度制御により防曇性能が向上することが明らかとなった.実験結果を用いてシステム性能予測を行い,電気ヒーターによる空調システムと比較して73.4%,ヒートポンプを用いた従来空調システムと比較して37.6%の電力消費を削減可能であることが明らかとなった.