日本冷凍空調学会論文集
Online ISSN : 2185-789X
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機械学習を用いたヒートポンプ性能予測における特徴量選択の影響解析
江口 順紹チョウ トゥ宮崎 隆彦
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 24-34LG

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抄録

本研究では,代表的な機械学習モデルを利用してヒートポンプシステムの成績係数を予測する手法に関して,特徴量の選択が予測結果に及ぼす影響を分析した.データセットには,冷媒R32によるヒートポンプサイクルの暖房運転試験データを利用した.試験の制御変数および運転状態の測定データから,各種の特徴量グループを作成して,特徴量と機械学習モデルとの関係について調べた.その結果,制御変数のみで機械学習モデルを作成する場合にはステップワイズ線形回帰が最も予測精度が高く,測定データを加えた特徴量に対しては線形回帰とガウス過程回帰が良い選択肢であることがわかった.また,ガウス過程回帰やサポートベクター回帰等,カーネル関数ベースの機械学習手法は説明変数の数が少ない場合や成績係数を定義する変数が説明変数に含まれない場合でも予測精度の高いモデルを構築できる可能性があることが明らかとなった.さらに,目的変数である成績係数との相関係数の高い変数を利用すれば,少ない特徴量で高い精度の予測が可能であることが示された.

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