身体虚弱児の自己認知を把握することは、虚弱児教育における基礎条件の一つである。児童の自己認知は、子どもの諸側面に対する保護者の認知、取り扱い、期待などと密接に関連するので、本研究では虚弱児をもつ親の認知を明らかにした。但し、本稿では虚弱の概念をかなり広義に規定し、虚弱と認知する親に関する資料を用いた。同時に、健康に関する親子間の認知の差異とその要因を検討した。一般校の児童と保護者を対象とし、質問紙調査を実施した。能力的側面の認知が生活目標への期待に大きな影響を及ぼし、能力の認知は健康の認知に強く規定されることが明らかになった。健康の認知に関して親子間に4種類の型が見出された。親のみが虚弱と認知する群が最も消極的・否定的な態度・評価を示し、逆に親のみが健康と認知する群が最も積極的・肯定的な態度・評価を示した。