1994 年 31 巻 4 号 p. 11-18
精神薄弱養護学校高等部女子生徒28名が、週5日間の持久走トレーニングを2年間行った。トレーニングの効果を評価するため、1000m走、体前屈、背筋力、握力、50m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げの7種目の体力テストを行った。これらの測定値を、同校でトレーニングを行わなかった年度の生徒26名の測定値と比較した。トレーニング群の1000m走成績は、平均値において、有意な短縮を示したが、非トレーニング群においては、成績の向上は認められなかった。非トレーニング群においては、7種目のテストの全てにおいて有意な成績向上はみられなかったが、トレーニング群においては、筋力、瞬発力の面において有意な向上が認められた。ただし、これらの項目の向上を個人的にみてみると、各人の持久力の変化量とこれらの項目の変化量との間には有意な相関関係はみられず、それぞれの項目が走運動という刺激により、独立的に変化したことが示唆された。