糖尿病
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症例報告
DPP-4阻害薬によるRS3PE症候群の発症・増悪を疑われた6例の検討
日髙 尚子田口 学
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2019 年 62 巻 5 号 p. 330-336

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抄録

Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema(RS3PE)症候群とは,急性関節痛・四肢末端の圧痕性浮腫を特徴とする炎症性疾患であり,DPP-4阻害薬の副作用として報告されているが,高リスク群や量依存性の有無などの詳細は不明である.我々は,DPP-4阻害薬内服中にRS3PE症候群が発症・増悪した6例(シタグリプチン3例,ビルダグリプチン2例,リナグリプチン1例)を経験した.男性3例,年齢中央値72.5歳,HbA1c中央値7.6 %.全例で膠原病の合併または家族歴を認めた.2例はDPP-4阻害薬の種類変更後に発症し,1例は同一DPP-4阻害薬の増量後に発症した.RS3PE症候群発症は,膠原病の合併や家族歴との関連が疑われ,患者側のリスク状態の変化や被疑薬増量に伴い発症する可能性が示唆された.

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© 2019 一般社団法人 日本糖尿病学会
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