糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
62 巻, 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 山口 哲志, 利根 淳仁, 勅使川原 早苗, 渡邊 真由, 片山 晶博, 宮本 聡, 江口 潤, 中司 敦子, 樋口 千草, 小川 大輔, ...
    2019 年 62 巻 5 号 p. 315-321
    発行日: 2019/05/30
    公開日: 2019/05/30
    ジャーナル フリー

    本研究はSAP導入後の効果を検討するため,CSIIからSAPに変更後1年以上経過した1型糖尿病22症例を解析した後ろ向き観察研究である.HbA1cはSAP前と比較して6ヵ月(6M)では不変,12Mで有意に低下した(各々7.6±0.7 %,7.4±0.9 %,7.1±0.9 %).6Mの時点でHbA1c 0.1 %以上低下した群を6M低下群,変化なし又は0.1 %以上上昇した群を6M不変・上昇群と定義したところ,6M不変・上昇群で0MのHbA1cが有意に低値で,重回帰分析では基礎インスリン比率の変化(6M)がHbA1c変化量(6M)の有意な決定因子として採用され,負の相関を示した.また,6M不変・上昇群では0MのSMBGで低血糖頻度が有意に高く,1Mで有意に低下した.臨床的にSMBGでの低血糖が多い症例ではSAP導入後にHbA1c上昇を呈す事もあり,注意を要する.

  • 藤井 浩平, 入江 陽子, 永田 慎平, 髙田 真実, 秦 誠倫, 竹本 有里, 山本 裕一, 狹間 洋至, 山本 恒彦, 馬屋原 豊, 安 ...
    2019 年 62 巻 5 号 p. 322-329
    発行日: 2019/05/30
    公開日: 2019/05/30
    ジャーナル フリー

    近年,2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬による肝機能改善効果を示す報告が散見される.しかし,肝線維化指標に与える影響は未だ明らかではない.本検討では外来にてSGLT2阻害薬が開始され,6ヶ月以上追跡可能であった2型糖尿病患者138例(年齢58±10歳,BMI 29.3±4.4,HbA1c 8.1±1.1 %)を対象に,6ヶ月間における肝機能推移とともに肝線維化指標であるFIB4 indexの推移を後ろ向きに調査した.結果,AST,ALT,γGTPは有意な改善を認めた(p<0.005).一方,FIB4 indexは全集団においては有意な変化を認めなかったが(p=0.338),投与開始時に肝機能異常(ALT≥36 U/L)を有する群においては有意な改善を認めた(p=0.008).以上より,SGLT2阻害薬は肝機能異常を有する2型糖尿病患者の肝線維化指標の改善に有用である可能性がある.

症例報告
  • 日髙 尚子, 田口 学
    2019 年 62 巻 5 号 p. 330-336
    発行日: 2019/05/30
    公開日: 2019/05/30
    ジャーナル フリー

    Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema(RS3PE)症候群とは,急性関節痛・四肢末端の圧痕性浮腫を特徴とする炎症性疾患であり,DPP-4阻害薬の副作用として報告されているが,高リスク群や量依存性の有無などの詳細は不明である.我々は,DPP-4阻害薬内服中にRS3PE症候群が発症・増悪した6例(シタグリプチン3例,ビルダグリプチン2例,リナグリプチン1例)を経験した.男性3例,年齢中央値72.5歳,HbA1c中央値7.6 %.全例で膠原病の合併または家族歴を認めた.2例はDPP-4阻害薬の種類変更後に発症し,1例は同一DPP-4阻害薬の増量後に発症した.RS3PE症候群発症は,膠原病の合併や家族歴との関連が疑われ,患者側のリスク状態の変化や被疑薬増量に伴い発症する可能性が示唆された.

委員会報告
feedback
Top