糖尿病
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インスリン分解酵素のRadioimmunoassayの開発とその基礎的検討
播 穣治志伊 光瑞今村 諒道横野 浩一馬場 茂明
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1984 年 27 巻 4 号 p. 523-530

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抄録
われわれはインスリンを特異的に分解するInsulin-degrading enzyme (IDE) をブタ骨格筋より, 最終的にアフィニィティークロマトグラフィーを用いてポリアクリルアミドディスク電気泳動上単一バンド分画までに精製し報告してきた.今回, 精製IDEで免疫したウサギ血清を抗体とした二抗体法によるIDEのradioimmunoassay (RIA) 法を確立した.IDEの標識にはクロラミン-T法を用い, Scphadex G-50およびG-200にて精製した.測定感度は10~500ng/mlで, C.V.値はintra-.inter-assayで各々6.11%であった, 正常ラット肝, 骨格筋ならびに腎可溶性分画のインスリン分解活性と, RIA法で得たIDE濃度とは必ずしも並行しなかった.無処理のヒト血清については, 正常人, NIDDM患者群ともに感度以下であった.しかし, インスリン抵抗性を示した糖尿病の1症例では, 血中IDE値が15~25ng/mlと高値を呈し, インスリン分解能亢進のインスリン抵抗性への関与が示唆された.enzyme immunoassay (EIA) 法によるIDEの定量も試みたが, その感度はRIA法に比べ約1/10であった.今回開発したIDEのRIA法は, 組織内IDEの動態観察に有用な手段になり得ると思われる.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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