糖尿病
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75g GTTによる妊娠糖尿病 (GDM) の判定基準に関する検討
浜田 悌二高木 繁夫津端 捷夫蜂屋 祥一浜田 宏杉山 陽一
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1985 年 28 巻 5 号 p. 663-670

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抄録

WHOや本学会による新しい糖尿病の診断基準勧告に伴う75gGTTの採用によって, 妊娠糖尿病 (GDM) の診断基準も新たな検討が必要である.著者らは妊婦に75gGTTを施行し, GDMの診断基準について検討した.対象は日本大, 聖マリアンナ医大, 慈恵医大, 三重大, 久留米大の産婦人科受診妊婦である.
まず, 正常妊婦の75gGTT平均値を検討した.妊娠28週以降の糖代謝異常の素質及び妊娠糖尿がなく, 羊水過多・重症中毒症を合併しなかった妊婦342例の平均血漿グルコース値は空腹時83±8, 糖負荷後1時間126±26, 2時間110±19mg/dlであった.そのM+2SDの近似値は空腹時100, 糖負荷後1時間180, 2時間150mg/dlであり, これを妊婦の正常上限値とした.
空腹時及び糖負荷後1, 2時間値のいずれかが正常上限を超えた症例にさらに検討を加えた.検討材料として母体の糖代謝異常に合併し易い新生児合併症の発生の有無を用いた.その結果, 新生児合併症の発生頻度は正常GTTの症例群に比較し, 空腹時, 糖負荷後1, 2時間値のいずれかが正常上限を超えた群でいずれも増加 (X2検定, P<0.01) するのを認めた.しかし, GDMの診断基準作成にはさらに多くの検討を必要とするので, 現段階では空腹時値, 糖負荷後1, 2時間値の3点中2点以上で正常上限を超えるものをGDMとする方が妥当と考えた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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