抄録
Prophyothiouracil(以下PTU)をラットの胎生期及び授乳期に暴露すると,離乳後の出生児の自発運動量が増加する。また,このように自発運動量が増加した出生児の脳内ドーパミン量は減少しているとの報告がある。出生児の自発運動量の測定は,測定時の環境の影響を受けるため,検査を繰り返したときに再現することが難しい。我々は,妊娠20日の胎児の脳内ドーパミン量を測定することで,離乳後の行動検査結果を予測できるのではないか,すなわち,自発運動量の増加する出生児は,胎児期においても脳内ドーパミン量が減少しているのではないかと考え以下の実験を行った。 ラットの妊娠7日から20日にPTUを飲水に混ぜて暴露させた。陽性対照としてEthyl alcoholをラットの妊娠1日から20日に経口投与した。妊娠20日に帝王切開を行い,胎児の脳を摘出し線条体におけるドーパミン量をHPLCで測定した。この結果及び考察について報告する予定である。