日本トキシコロジー学会学術年会
第32回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-45
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一般演題(ポスター)
PCB126胎生期暴露のDMBA投与後の肝臓におけるCYP1, AhRの発現
*和久井 信横尾 清文佐怒賀 宣之赤木 洋祐高木 文雄
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抄録
我々は過去3,3',4,4',5-pentachlorobiphenyl (PCB126)胎生期暴露次世代の7,12-Dimethbenz[a]anthracene (DMBA)誘発乳腺発癌に与える影響に関して報告した。これまでの検討から、高用量PCB126胎生期暴露はDMBA誘発乳腺発癌を抑制させるのに対し、中用量PCB126胎生期暴露はDMBA誘発乳腺発癌を亢進さることを明らかにしたが、その機序は不明である。また、DMBAは生体内で代謝されることから発癌を進行させることから主たる代謝酵素であるCYP1の発現についてDMBA投与後2日まで過去報告した。今回は、DMBA投与後30日までのCYP1, AhRの発現について検討を行った。SD(slc)ラット胎齢13-19日までPCB126を7.5ug, 250ng, 2.5ng, 0g/kg/day経口投与を行った。出生後50日齢に各ラットにDMBA100mg/kg経口投与した後、6時間、12時間、1日、2日、5日、10日、20日、30日、後に剖検し肝臓でのCYP1, AhRの発現について検討を行った。7.5ug/kg群ではCYP1A1の発現延長が認められた。これに対し、250ng/kg群ではCYP1B1 の発現延長が認められた。DMBAは2段階の代謝を受ける第一段階の代謝はCYP1A1あるいは CYP1B1が進行させる。これに対し第二段階の代謝はCYP1B1のみが進行させることから、DMBAの発癌性の獲得にCYP1B1が重要であることが提唱されている。本検討では、7.5ug/kg群でCYP1A1の発現延長が認められたのに対し、発癌性の亢進を示した250ng/kg群ではCYP1B1、CYP1A1の発現延長が認められた。
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© 2005 日本毒性学会
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