日本トキシコロジー学会学術年会
第32回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-49
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一般演題(ポスター)
沖縄産薬草ベニバナボロギクの誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)に及ぼす影響
*高松 玲佳安仁屋 洋子吉見 直己
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抄録
ベニバナボロギク(Crassocephalum crepidioides)は民間薬として急性肝炎、発熱、浮腫に用いられており、抗突然変異誘発作用、抗酸化作用を有し、現在抗酸化成分としてイソクロロゲン酸aとcが分離されている。先に当教室ではベニバナボロギクがガラクトサミン(GalN)/リポポリサッカライド(LPS)誘導のラット肝障害を抑制することを明らかにした。そこで本研究では、LPS刺激によるマクロファージにおけるiNOS蛋白発現誘導を沖縄産薬草であるベニバナボロギクが抑制するか否かを検討した。研究方法は、マクロファージとしてBALB/c NIHマウスの腹水から樹立されたマクロファージ様細胞株、J774細胞を用いて行った。前培養では10%のウシ胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を使用し、LPSおよび薬草添加時には0.5mMアルギニンをさらに加えて培養した。ベニバナボロギクは熱水抽出されたものを、イソクロロゲン酸はDMSOに溶解されたものを使用した。未刺激J774細胞をコントロール、細菌成分であるLPS(0.5μg/ml)で刺激した細胞を陽性コントロールとし、LPS刺激に加えてベニバナボロギク、イソクロロゲン酸(DMSO<0.5%)を添加した細胞の12時間と24時間後のiNOS(130kDa)蛋白発現量を8%のSDS-ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動後、Western blotを行って評価した。その結果、ベニバナボロギク(1mg/ml)、イソクロロゲン酸(200μM)が著明にiNOS蛋白発現を抑制した。このことからベニバナボロギクの生体内での炎症防御にiNOSが関与する可能性が示唆された。
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© 2005 日本毒性学会
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