日本トキシコロジー学会学術年会
第32回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: O-61
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一般演題(口頭)
メチル水銀が酵母細胞内の物質輸送に与える影響
*村井 康高, 黄 基旭, 永沼 章
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抄録
【目的】我々はメチル水銀毒性発現機構を明からにするために、真核生物モデルである酵母のメチル水銀感受性に影響を与える遺伝子群の全容解明を目指している。これまでに、酵母細胞内の輸送小胞を介した液胞への物質輸送経路のうち、ゴルジ体→エンドソーム→液胞、という輸送経路に関わる蛋白質であるVps27やVps45を欠損させた酵母がメチル水銀に対して耐性を示すことを見出している。そこで、メチル水銀がこの物質輸送経路に与える影響について検討した。【結果および考察】酵母細胞内で合成されたcarboxypeptidase (CPY) は未成熟体のままゴルジ体からエンドソームを介して液胞へ運ばれ、液胞内でプロセシングを受けることにより成熟型になることが知られている。まず、Vps27またはVps45の単独欠損酵母、もしくはその二重欠損酵母におけるCPYの液胞への輸送をCPYのプロセシング状態を指標とするWestern blot法により検討した。その結果、これらの欠損酵母では野生株に比べて、成熟型CPY量が少ないことが確認された。このことより、Vps27またはVps45欠損酵母はゴルジ体からエンドソームを介した液胞への輸送が抑制されることによってメチル水銀に対して耐性を示す可能性が示唆された。次に、メチル水銀処理がこの輸送経路に与える影響を検討したところ、メチル水銀処理によって成熟型CPYの増加が確認され、メチル水銀によってこの輸送系が亢進される可能性が示唆された。一方、輸送小胞が液胞に融合する際にアダプター蛋白質として機能するVam3やVam7を欠損させた酵母は、メチル水銀に対して耐性を示さなかった。以上の結果から、何らかの蛋白質のエンドソーム内への輸送が亢進することによってメチル水銀毒性発現が増強される可能性が考えられる。現在は、エンドソームに運ばれることによってメチル水銀毒性を増強させる蛋白質の同定を試みている。
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© 2005 日本毒性学会
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