抄録
SEND (Standard for the Exchange of Nonclinical Data) は2016年12月から米国FDAに導入され、電子審査・申請にかかわる申請方式が大きく変わりつつある。米国以外の製薬企業、CROなどの地域外事業者にとってSENDは外国の規制であるものの、すでに国内企業の対応も急速に進んでいる。我々は、2015年にFDA SENDトライアル申請に日本のCROとして初めて成功したことを踏まえ、昨年の本学会において、成功の背景と、今後のSEND対応手順を策定する上での注意点について発表した。その際にも、ガイダンスなどの整備状況を確認しつつ、試験計画段階から準備をして、QCに配慮した効率的な対応を進めることの重要性を述べた。
その後、我々は、SENDに使用する用語の標準化が進む状況を踏まえて、SEND業務の効率化を進めることを目的としたSEND CT (Control Terminology) 対応試験を、仮想データを用いて実施した。この試験において、毒性試験の標準的な検査項目に関し、最終報告書に記載される用語等とCTの一致率を増加させるために、①必要な計画段階での対応事項、②試験システムを用いた実際のデータの採取を模した入力から得られた検討事項、③SEND変換に関わる期間の短縮と作業効率化に向けて必要な事項を確認した。さらに、そのSEND変換データのビジュアル化について確認し、試験評価への利用について考察した。