日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会 非臨床試験 電子データ標準化[SEND]検討タスクフォースでは、SENDデータのどのドメインに、どのような情報が、どのように記載されているかを調査する目的で、2017年後半に本タスクフォースに加盟する製薬企業16社を対象に、CDISC SENDIG v3.0(以下、SENDIG)に準拠した試験デザイン(TS、TX、TE、TA)及び特殊用途(DM、SE)ドメインのSENDデータ事例収集を行い、結果を定性的に解析した。
ドメイン毎に匿名化したSENDデータの実例(n=10以上)を解析対象として、各ドメインの変数毎に集計を行った。その結果、変数の利用有無及びその記載方法について施設間のばらつきが見つかった。例えば、SENDIGでCore=Req (Required)及びExp (Expected) の変数はほぼ100%入力されていたのに対し、Core=Perm (Permissible) の変数は、解析上の重要性に応じて100%入力されているものもあれば、0%のものもあった。また、試験デザインに関連した変数(例:EPOCH、ETCD/ELEMENT、ARMCD/ARM、SETCD/SET)の記載では、様々なバリエーションが認められた。
本発表では、安全性試験を実施する現場でSENDデータに記載された内容の理解を促進するために、GLP省令(厚生省令 第21号、1997年)で規定される「最終報告書に記載すべき項目」とSENDIGに登場する変数との紐づけを試みるとともに、事例収集の解析により得られた知見を「SENDデータ作成時に考慮すべきポイント」として紹介する。