日本毒性学会学術年会
第46回日本毒性学会学術年会
セッションID: S5-5
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シンポジウム 5
新モダリティ医薬品の非臨床安全性評価における動物種の選択/種差
*神吉 将之
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抄録

近年,医薬品業界で扱うモダリティは多様化している。モダリティという言葉が持つ意味は様々あるが,医薬品業界におけるモダリティとは,一般的には低分子医薬品や抗体医薬品,ペプチド医薬品,遺伝子治療医薬品といった疾患の治療手段のことを指す。2000年頃までの医薬品モダリティの主体は低分子医薬品であったが,2000年以降,タンパク質工学の進展を背景に抗体医薬品の開発が比率を増し,既に日米欧で70を超える抗体医薬品が承認されている。さらに近年では,核酸修飾技術の進展を背景とした核酸医薬品やCRISPR/Cas9を代表とするゲノム編集技術を応用した遺伝子治療医薬品など,新たなモダリティを用いた医薬品の開発もグローバルに進められている。一方,新モダリティ医薬品は,選択したモダリティ毎に特性と懸念される安全性リスクの内容は異なり,非臨床安全性評価における最適な試験パッケージや試験デザインを一般化することは難しい。本発表では,当局から発出されているガイドラインなどの情報を参照しながら,新モダリティ医薬品の非臨床安全性評価における動物種選択や毒性種差についての考え方の一例を紹介する。

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