日本毒性学会学術年会
第48回日本毒性学会学術年会
セッションID: S14-3
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シンポジウム14
抗悪性腫瘍剤の審査における心毒性に関する着目点及び今後への期待~臨床の観点から~
*高橋 秀明
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抄録

HER2阻害剤、PD-1 / PD-L1阻害剤、およびがんドライバー遺伝子変異を標的とするチロシンキナーゼ阻害剤等の抗がん剤の進歩は、緩和的な抗がん剤治療の対象となる進行癌患者から術後抗がん剤治療の対象となる早期癌患者、さらには高齢者から小児の癌患者の予後を改善しました。

がん治療の目標には、治癒、生存期間の延長、腫瘍体積の減少、そして重要な点としてQOLの改善または維持が含まれます。上述の抗がん剤などは、心不全、心筋炎、またはQT延長を含むいくつかの心臓毒性を有することが知られています。これらのイベントは、特に術後化学療法を受けた早期癌患者またはAYA世代を含む小児患者の患者の長期的なQOLを悪化させる可能性があります。

致命的となる可能性のある薬物誘発性心臓毒性のリスクを軽減するには、他のファーマコビジランス活動とともに、潜在的なリスク要因を評価して各患者のリスクとベネフィットのバランスを決定することが重要となります。

本プレゼンテーションでは、心臓毒性のある抗がん剤の有効性と安全性を評価する上での臨床的視点を紹介します。

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