日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: W4-3
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ワークショップ4
ヒストン修飾を制御する化合物の探索
*鈴木 孝禎
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抄録

ヒストンのアセチル化、メチル化のようなヒストン修飾は、エピジェネティクス機構の一つとして知られており、がんや中枢神経系疾患に密接に関与することが知られている。特に、ヒストン脱メチル化酵素は、酸素を用いて酸化的にヒストンの脱メチル化を行うことから、レドックス生物学においても重要な酵素として位置づけられている(1, 2)。

また、最近、食品中や環境中の化学物質によりヒストンが化学修飾を受けヒストンアダクトを形成し、ヒトの健康に影響する可能性も示唆されている(3)。

このような背景をもとに、私たちの研究室では、ヒストン修飾を制御する小分子化合物の探索研究を行ってきた。これまでに、抗がん活性を有するリシン特異的脱メチル化酵素1阻害剤(4)、S-アデノシルメチオニン抑制剤(5)、抗うつ活性を有するリシン脱メチル化酵素5C阻害剤(6)などを見出している。本発表では、これらのヒストン修飾を制御する小分子化合物の探索研究の一部を紹介する。

(1) Chakraborty, A. A. et al. Science, 363, 1217-1222 (2019).

(2) Gallipoli, P. et al. Science, 363, 1148-1149 (2019).

(3) Huang, H. et al. Nat. Commun., 9, 3374 (2018).

(4) Ogasawara, D. et al. Angew. Chem. Int. Ed., 52, 8620-8624 (2013).

(5) Ogihara, S. et al. J. Am. Chem. Soc., 142, 21-26 (2020).

(6) Miyake, Y. et al. ACS Catal., 10, 5383-5392 (2020).

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