2025 年 12 巻 2 号 p. 129-134
掛川市の1歳6か月児健康診査(以下,1歳半健診)の要フォロー判定率(支援が必要であると判断された割合)は高く,令和3年度は81.6%であった。要フォロー判定率の中でも特に「言葉」に関するフォロー(言葉の発達支援。以下,「言葉」フォロー)率が高く,令和3年度は71.9%であった。そこで,1歳半健診の「言葉」フォローの実態を明らかにするため,平成31年4月~5月生まれの1歳半健診と3歳児健診を受診した幼児を対象とし,健診のアンケートや児のカルテから1歳半健診での要フォロー判断の妥当性の分析を行った。その結果,1歳半健診で「言葉」フォローとなった児のうち,3歳児健診でも「言葉」フォローとなった児は17.0%であった。また,1歳半健診のアンケートに記載している有意語数が3語以上であれば,3歳児健診で「言葉」フォローでない割合が97.5%という結果となった。以上より,1歳半健診の要フォロー判定率を低下させるために,今後は「言葉」フォローの判断基準を明確化し,より効果的な支援方法を検討する必要がある。