2025 年 12 巻 2 号 p. 135-142
目的 中部地方の自治体職員を対象に,朝食欠食と5年後の抑うつ状態発症との関連を,愛知職域コホート研究のデータを用いて検討することを目的とした。
方法 愛知職域コホート研究の2013年のベースライン調査に参加した20-54歳の対象者のうちベースライン時に抑うつがない,あるいはうつ病の治療中ではない者のうち2018年調査にも参加した2004人 (男性1452人,女性552人)を研究対象とした。抑うつ状態の評価はCenter for Epidemiologic Studies Depression Scale日本語短縮 (11項目)を使用し,8点以上を抑うつとみなした。朝食欠食は朝食摂取頻度が週6回以下と定義した。さらに,5年間の朝食欠食の変化を「非欠食 (2013年)→非欠食 (2018年)」,「欠食→非欠食」,「非欠食→欠食」,「欠食→欠食」の4パターンに分けた分析も実施した。多変量ロジスティック回帰分析を用いて,性 (男性,女性[閉経前],女性[閉経後]),年齢,学歴,配偶者・14歳未満の子供の同居の有無,肥満 (BMI≧25 kg/m2),喫煙状況,運動頻度,アルコール摂取量,睡眠時間,ストレス,ファミリー・ワーク・コンフリクト,ワーク・ファミリー・コンフリクトを調整し,2018年の抑うつ発症のオッズ比 (OR)と95%信頼区間 (CI)を推定した。
結果 2018年に新たに抑うつ状態となったのは261人 (13%)であった。朝食欠食と抑うつ発症には調整要因に独立した統計学的に有意な正の関連が認められた (OR: 1.39,95%CI: 1.01-1.90)。朝食欠食の変化パターン別の分析でも「非欠食→非欠食」群に比べて「欠食→欠食」群は抑うつ発症と有意な正の関連を示した (OR: 1.53,95%CI: 1.06-2.21)。
結論 朝食欠食と抑うつ発症には調整要因に独立した正の関連が認められた。