東海公衆衛生雑誌
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改訂版Frenchay活動指標自己評価表と主観的健康感,主観的幸福感,WHO-5 ウェルビーイング指標の関連
三ケ日町アクティブエイジング研究
中村 美詠子杉浦 実
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2026 年 13 巻 2 号 p. 109-116

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抄録

目的 高齢者が地域で暮らし続けるためには日常生活に関わる活動の継続とウェルビーイングを保つことが重要と推定される。そこで本研究では地域在住中高年者を対象として,家事を中心とした日常生活の活動状況の性・年齢階級別の特性および活動状況とウェルビーイング等の関連を明らかにすることを目的とした。

方法 静岡県浜松市北区三ケ日町(旧静岡県引佐郡三ケ日町)の基本健康診査受診者を対象として実施した三ケ日町研究の対象者にアンケート調査を実施した。日常生活に関わる能動的な活動状況を,改訂版Frenchay活動指標自己評価表を用いて測定し,性別,年齢階級別の得点を比較した。また主観的健康感,主観的幸福感,Simplified Japanese version of WHO-Five well-being index 日本語版(WHO-5 ウェルビーイング指標)との関連を,ロジスティック回帰分析,重回帰分析(年齢,病歴,家族構成を調整)を用いて検討した。

結果 有効回答が得られた男性123人,女性299人を分析対象とした。改訂版Frenchay活動指標自己評価表合計点は,男性では年齢と有意な関連を示さなかったが,女性の70歳代以上は60歳代以下に比べ有意に低かった。領域別(屋内家事,屋外家事,戸外活動,趣味,仕事)得点は性・年齢階級で異なる傾向を示した。女性では,食事の用意,洗濯,仕事以外の多くの活動と主観的健康感,主観的幸福感,WHO-5 ウェルビーイング指標が有意な正の関連を示した。一方,男性では,主観的健康感,主観的幸福感と関連する活動は限定的であったが,WHO-5 ウェルビーイング指標と合計点,屋内家事(力仕事),屋外家事(買い物),戸外活動,趣味は有意な正の関連を示した。

結論 中高年者において,改訂版Frenchay活動指標自己評価表で評価した日常生活活動状況,主観的健康感,主観的幸福感,WHO-5 ウェルビーイング指標との関連は,性により異なっていた。高齢者が地域で暮らし続けることが可能となる社会を目指すため,今後,性別特性をふまえて,ウェルビーイングの保持増進を目指した支援策を検討し,その効果を評価していく必要がある。

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