東海公衆衛生雑誌
Online ISSN : 2434-0421
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朝食摂取頻度および食事のタイミングの特徴と慢性疾患との関連
愛知職域コホート研究
服部 優奈髙田 碧宋 澤安福田 知里西尾 七海近藤 寛保坂 唯仁松永 眞章太田 充彦玉腰 浩司大塚 礼八谷 寛
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2026 年 13 巻 2 号 p. 150-160

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抄録

目的 朝食欠食や不適切な食事のタイミングは,多くの慢性疾患と関連することが報告されている。朝食摂取状況とその他の食事のタイミングは相互に影響し合うと考えられるが,我々の知る限り,両者を組み合わせて,慢性疾患との関連を検討した研究は存在しない。そこで本研究では,朝食摂取頻度と複数の食事のタイミングによって特徴づけられるクラスター間において,慢性疾患の有病率を検討することを目的とした。

方法 中部地方の自治体職員を対象に2023年に実施した質問紙調査に参加した者から深夜勤務者を除外した4,339人を研究対象とした。食事のタイミングとして,1日の最後の食事摂取時刻から就寝時刻までの時間を「食事摂取から就寝までの時間」,1日の最初の食事摂取時刻から最後の食事摂取時刻までの時間の中間点を「食事の中間時刻」,1日の最後の食事摂取時刻から最初の食事摂取時刻までの時間を「夜間の絶食時間」と定義した。朝食摂取頻度は,対象者から得た回答を週当たりの回数「7/5.5/3.5/1.5/0.5/0(回/週)」に換算した。これら3つの食事のタイミングと朝食摂取頻度を指標として,k-means法により2つのクラスターを同定し,人数が多いクラスターを基準(クラスター1)として肥満,高血圧症,糖尿病,脂質異常症,抑うつ状態の有病率との関連を多変量調整ロジスティック回帰分析により検討した。また,クラスター同定の指標とした4つの変数それぞれを説明変数とした多変量調整ロジスティック回帰分析も行った。

結果 クラスター1,クラスター2の人数はそれぞれ2,825人,1,514人であった。クラスター2は,クラスター1に比べ,朝食摂取頻度が低く,夜間の絶食時間が長く,食事摂取から就寝までの時間が長いという食事のタイミングの特徴を持っていた。クラスター間における多変量調整ロジスティック回帰分析の結果,肥満,抑うつ状態のオッズ比は,調整要因に独立して1よりも有意に高かった[肥満OR (95%CI):1.24 (1.04-1.48),抑うつ状態OR (95%CI):1.27 (1.11-1.46)]。一方,高血圧症,糖尿病,脂質異常症のオッズ比は1と有意な差がなかった。また,朝食摂取頻度,食事の中間時刻,食事摂取から就寝までの時間は,肥満または抑うつ状態と有意な関連を認めた。

結論 朝食摂取頻度が低く,夜間の絶食時間が長く,食事摂取から就寝までの時間が長いという特徴を持つ群と肥満,抑うつ状態との間に有意な関連を認めた。

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