2026 年 13 巻 2 号 p. 161-172
目的 国内外における高校生のメンタルヘルス問題に関する基礎知識を整理し, 今後の研究に発展させるため, 高校生のメンタルヘルス問題に影響を及ぼす要因について文献的検討を行い, 探索することを目的とした。
方法 スコーピングレビューの方法論に基づいて行った。2013年から2023年までの期間に限定し, 医中誌WebとPubMedで検索した。対象となった論文を概観した上で, 高校生のメンタルヘルス問題に影響を及ぼす要因をテーマ分析によって段階性と関係性の2つの視点から整理した。
結果 2204件の論文が検索され,このうち採用基準に合致した23件を分析対象とした。先行研究によると, 高校生のメンタルヘルス問題に影響を及ぼす要因として「学校環境」「家庭環境」「部活動」などの環境に関する要因と, 「ASD」「向社会的スキル」「ストレスに対する知識」などの自己に関する要因が示された。また, 「環境要因」と「自己要因」の双方に共通する要因として「孤独感」「人間関係」「学業」が明らかになった。
結論 高校生のメンタルヘルス問題に影響を及ぼす要因についてスコーピングレビューにより検討した。その結果, 「学校環境」「家庭環境」「部活動」などの「環境要因」と, 「ASD」「向社会的スキル」「自己肯定感」などの「自己要因」が示された。また,「環境要因」と「自己要因」の双方に共通する要因として「孤独感」「人間関係」「学業」が明らかになった。近年, 高校生におけるメンタルヘルス問題は増加傾向にある。本研究は, 将来的な公衆衛生学研究の発展や, 日本における教育・福祉政策の立案に資する基礎資料として貢献することが期待される。