東海公衆衛生雑誌
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愛知学院大学日進キャンパスにおける受動喫煙防止支援
~7年間の取り組みとその成果~
糠谷 敬子森山 恭子北村 洋子宇野 智子外ノ池 隆史
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2014 年 2 巻 1 号 p. 89-93

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抄録

 平成15年に健康増進法が施行されて以降,広く受動喫煙防止対策が行われるようになった。敷地内全面禁煙とした大学もあるが,周辺での喫煙が増え近隣からの苦情が出ているところが多い。また愛知学院大学日進キャンパスでは,禁煙に対しては教職員の抵抗が非常に強く,保健実務担当者が2名の体制では強制的な対策を行うだけのマンパワーも不足していた。そこで学生・職員が主体的に参加する形で,毎年「受動喫煙防止キャンペーン」を行い,主として喫煙マナーの徹底を呼びかけていくことにした。さらに職員の喫煙に対する意識を変えるため希望者に禁煙治療を行い,禁煙に成功した者を禁煙サポーターとして,今度は禁煙を支援する側に回ってもらった。キャンペーンは次第に規模が大きくなり,地域にも広がっていった。やがて大学本部の考え方も変化し職員がキャンパス内を巡回してくれるようになり,キャンパス内の喫煙マナーは随分向上し分煙が進んだ。学生の喫煙率も次第に低下している。学生・教職員の自主性を尊重したことで,喫煙者と非喫煙者が大きく対立すること無く受動喫煙防止対策を進めることができた。

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© 2014 東海公衆衛生学会
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