2012 年 15 巻 1 号 p. 002-011
関西3空港問題は,関空伊丹法が国会で成立したことで,解決に向けて動き出した.しかし,この法律は,2空港を経営統合し,これにより関空の経営を改善して本来の機能を発揮させようとするものであるが,航空需要の拡大がないと,関西3空港問題をどこまで解決できるかは不確定要素が多い.3空港問題は,まず同法が予定するPFI事業者による2空港の運営が順調に動いてからのちの段階の問題であり,その段階まで見通して考察する必要がある.その場合,3空港の最大活用のための統一的運営を目指した神戸空港の統合には法制的難問が多い.関西広域連合による実施についても同様である.これらの経緯を追い,法制的に分析し,問題点を指摘する.