2013 年 16 巻 3 号 p. 023-031
近傍グラフは,データ間の類似度や近接性を解析し,そのデータ構造を視覚化する手法として注目され,多くの分野で活用されている.しかし,地域の近接性を記録するデータの一つであるOD交通量データを用いて近傍グラフを構築し,そこから明らかになる地域構造を視覚表現しようとする試みは,これまでのところ見られない.本報告は近傍グラフに着目し,主要な発着地域の組み合わせの抽出を行い,その結果を視覚表現する新たな手法を提案する.最後に,全国幹線旅客純流動調査データを用いた分析を通して,提案手法の適用可能性を検証する.