2014 年 17 巻 2 号 p. 013-019
乗合バス事業において,バスターミナルやバス停留所は事業に不可欠なインフラであり,新規参入者が既存のバスターミナル・停留所を利用することが難しい場合,しばしば参入障壁を形成する.英国では従前より,既存事業者と新規参入者の双方が平等にバスターミナル・停留所を利用できる仕組み(イコール・アクセス)が制定されており,近年,域内バスについてイコール・アクセスのいっそうの徹底が図られたところである.本稿では,英国のバスターミナル・停留所の利用にかかわる制度と実態をレビューし,バスターミナル・停留所へのイコール・アクセスの担保が乗合バスの競争施策にもたらす効果について考察する.