1999 年 2 巻 3 号 p. 019-025
本研究は,ドイツにおける地域内公共交通の現状を分析したものである.従来ドイツでは,地域内公共交通を公共近距離旅客輸送(ÖPNV)と近距離鉄道旅客輸送(SPNV)という管轄する行政が異なる2つの概念で提供していた.しかし,EUレベルで決定された鉄道政策とそれに基づいたドイツ鉄道改革の実施,さらには地域化法の施行により,地方自治体がその両者を管轄することになり,管理面・財源面での枠組みの変更が必要となった.その変化の特徴を,各地域の運輸連合に見ることができる.本研究では,Rhein-Main運輸連合(RMV)を例に,現在の運輸連合の役割,組織形態,運賃制度を紹介し,最後に財源システムについて分析する.