2019 年 21 巻 p. 015-026
30歳代前後の年代の生成原単位が減少傾向にあることが報告されている.筆者らは,そのなかでも特に減少している属性や交通行動を明らかにしたが,その原因やそれがもたらす影響については十分な知見が得られていない.そこで本稿では,インターネット利用,人付き合いや社会への関心などの人々の意識と交通行動との関係を分析した.その結果,インターネット利用と交通行動の両方が多い人と両方が少ない人が存在し,活動格差が生じている実態とともに,人付き合いへの積極性には様々な活動の中でも特に外出回数が関係することを明らかにした.これらの結果を踏まえ,今後の都市交通政策について考察した.