2020 年 22 巻 p. 052-057
1──はじめに
国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会(MEPC)は2016年10月に,公海を含む一般海域で使用される舶用燃料に含まれる硫黄分濃度を3.50%以下から0.50%以下とする規制強化(SOx規制.MARPOL条約(海洋汚染防止条約)附属書Ⅵ(船舶に起因する大気汚染物質の排出を規制)の規則14.1)を,2020年1月に開始すると決定した.本規制は硫黄酸化物(SOx)や粒子状物質(PM)による環境や人の健康への被害・悪影響を,世界全体で改善することを目的とする.