2021 年 23 巻 p. 20-34
インバウンド観光の実態把握と政策立案のため,国土交通省は,訪日外国人流動データ(以下FFデータ)を作成した.FFデータは周遊パターンや訪日目的などの多くの属性を記録しているが,その膨大な情報を効果的に政策立案に結びつけるには,先験知識によらず,代表的なパターンを抽出する手法の開発が必要である.本研究では,トピックモデルをFFデータに適用することで,訪日外国人の周遊特性をパターン抽出するとともに,経年分析した.その結果,年次間で共通するトピックのほか,関東や関西を周遊先に含む旅行が様々な地方を周遊するように経年変化する傾向が抽出され,同手法の有効性が示された.