栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
Faba beanのデンプンの性状について
女屋 光子渡辺 幸雄太田 富貴雄綾野 雄幸
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 32 巻 2 号 p. 111-117

詳細
抄録
カナダ産のファーバビーン (vicia faba L., var. minor) からデンプンを分離し, その2, 3の性状を調べた。
1) デンプン粒の形状は楕円形で, その長径は15~40μの範囲にあり, 平均粒径は23.8μであった。また複粒が確認された。X線回折図形はKatzの分類におけるC図形に属した。
2) アミログラムからは, 粒度曲線の立上り温度が70℃で, 加熱にともない粘度が徐々に上昇し, ブレークダウンはなく, コンシステンシーが大きいことが認められた。加熱時の最高粘度は7%濃度で230BU, 9%濃度で590BU, であり, ソラマメデンプンよりは高いが, バレイショならびに普通トウモロコシデンプンにくらべかなり低いことが示された。
3) アミロース含量はヨウ素呈色度による方法で求めた場合22.1%, ヨウ素親科力による方法で求めた場合, 29.9%となり, 他の豆類デンプンに比し高い部類に属した。4) α-アミラーゼならびにラット小腸抽出酵素による消化性はソラマメデンプンよりは優れているが, 普通トウモロコシデンプンよりは劣った。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top