2004 年 7 巻 1 号 p. 034-042
国鉄民営化後のJR旅客6社の新幹線・在来線の費用関数の構造について,トランスログ費用関数を用いて推計を試みた.その結果,新幹線・在来線ともに密度の経済性は認められるものの,JR本州3社においては,新幹線と在来線の間における範囲の経済性の存在を明らかにすることはできなかった.本州3社と三島会社の間の密度の経済性に起因する費用格差は大きく,また本州3社内・三島会社内の格差も無視できない.これらの推計結果をもとに,その政策的帰結についても言及する.