芝草研究
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短報
都市緑化用植物としての「ヒューケラ (Heuchera) 」の光環境に対する適性・耐性
杉山 菜生近藤 三雄
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 39 巻 1 号 p. 24-27

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抄録

都市緑化用植物として, 本研究ではヒューケラを取り上げ, 光条件と各種ヒューケラの生育の関係性を明らかにし, その有用性を究明した。供試植物として, ライムリッキー, ピーチフランバ, キャラメルの3品種を選定し, 異なる照度条件下で生育実験を行った。その結果, ピーチフランバは耐強光性に最も優れ, 高照度条件ほど良好な生育を示し, 低照度条件では相対照度15%程度まで耐えられた。ライムリッキーやキャラメルは相対照度100%で葉やけ現象を生じ, 生育被害が現れた。最適照度条件はライムリッキーが相対照度35%程度, キャラメルは35~50%程度であった。低照度条件にはライムリッキーは15%程度, キャラメルは5%程度まで耐えられ耐陰性に優れていたが, 本来の葉色は損なわれる。
以上より, ヒューケラは照度条件等や品種間における性質の差異を踏まえて植栽することで, 都市緑化空間に貢献し, 多彩で美観性に富む空間を作り出すことが可能と言える。

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© 2010 日本芝草学会
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